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小さき私でも、集えば強くなると

貴方が教えてくれたのは

遠い日のことでした


第二章 「集結」


「オイオイ、面白そーな話してんな」

分からぬ声の主に灯は警戒する。

「誰だッ?!」

灯達が振り返るとそこにはクロノの姿があった。

「クロノか・・?お前よく生きてたな」

「うるせぇ、てめぇなんざに言われたかねーな」

会って早々睨み合う二人を割るように誰かが話しかける

「灯さーん!!こんにちわ!」

その主はソウゲツ。
クロノの影から出てきたようだ。
相変わらず廃れた世界に合わない笑顔だ。

「おう!ソウゲツ!!久しぶり!」

灯とソウゲツはハイタッチをして話しだした。
二人の登場で場が一気に騒がしくなった。
だが、その騒がしさを抑えるように真剣な眼差しでクロノは灯に質問する。

「で、さっき何話してたんだ?」

「お前なんかにおしえねーよーだ!はっ!!どーだ!!参ったか!!」

「氷、何話してたんだ?」

「ええっと、アメリカのニューヨークに何かの組織があるらしいんですよ。それで私達身支度して行こうって話になって・・・」

「はーん。そーゆーこと。」

クロノに横目で睨まれて灯は氷に言う。

「って氷!!何話してんだよ馬鹿!!」

それを聞いて氷はきょとんとして

「話しちゃ駄目でした?」

と言う。
灯は氷から視線をずらして言う。

「別に駄目じゃないんだけど・・・クロノに土下座させる機会があったのになーって」

「土下座だとッ!!」

「まぁまぁ二人共仲良く・・・ね?」

ソウゲツが割ってはいる。

「ソウゲツ!テメェホント空気よめねーな!」

「クロノとだけは無理!!」

「ううごめんなさい・・・」

ソウゲツは同時に二人に言われて苦笑い。

「兎に角、その旅とやら。俺等も同行させてもらうからな」

「なんでてめぇがついt

「助かります!人は多い方がいいですから^^」

灯が言うのを邪魔して氷が言う。

夜、結局灯達の旅に同行することになったクロノ達は灯達の家に泊まることにした。

「あっ!!てめ!それ俺のアイス!!!」

「アイスじゃないぞこれ。ただの果汁を凍らせたやつだろ?」

「それをアイスっていうんじゃないの?」

「なんでお前がアイス知ってんのムカツク」

灯とクロノとソウゲツはコントのように話しながら過ごし、クロ、氷は台所で料理を作り、鬼淵は居眠りをしていた。

「大体てめぇ何で人んちのモン勝手に食い散らかしてんだよ!」

「食い散らかしてねーよ!食ってるだけじゃねーか!」

「そしてくつろぎすぎだろ!!」

「いーじゃんかよーそれくらい!」

「礼儀って物を知れよ!!」

「コレが俺の最大の礼儀だ」

「ふざけんなーッ!!」

「まぁまぁ・・・」

「ソウゲツークロノをどうにかしてくれよー」

「アイスっぽいの食う?」

「てめ!!人の物をッ!!」

途端にドアを開ける音がした。

<バン!>

「何だ?」
「何だろ」
「何でしょう?」
「誰だッ!」
「誰ですかこんな夜中に」
「・・・・」

「ぜぇ・・ぜぇ」
「疲れた・・・眠い」

ドアを開けて入ってきたのは蘇芳と魁道。

「なんだ・・・誰かと思ったら蘇芳と魁道か・・・っては?!お前等不法侵入だぞ!!!」

灯が訳の分からない反応をしていると蘇芳が口を開けた

「だって!!ここ・・・結界貼られてるから・・・!安全なんだもん・・!!」

「あー確かに・・・って結界?!」

「ごめんなさい勝手にw」

えへへ・・・ばれちゃったと氷は申し訳なさそうに言う。

「氷!また黒魔術使ったのか?!」

「いやまたって・・・黒魔術って・・・以前椿愧さんに教えてもらったんですよ・・!皆さんの身を守るために!」

「そ、そういわれちゃしょうがないけど・・・」

「兎に角入れてくれ!魁道が「眠い」とか言って戦ってくれないんだよ!」

「お前警察だろ?!人一人位守れるだろ?!」

「囲まれちゃしょーがないだろーが!」

「まぁいいじゃないですか!すでにお客さん居ますし。」

氷が指差した先、クロノとソウゲツがこちらを向いて手を振っている。

「くっ・・・しゃーねーな・・・」

「いえーい!」
「眠い」

蘇芳と魁道はクロノ達の方に走っていった。

「よォ蘇芳、相変わらず子守は大変か?」

「まぁまぁ大変。そっちの子守もね^^!!」

「まぁなー、アイス食う?」

クロノと蘇芳のアホ臭い話を聞き流せなかったのかソウゲツが割ってはいる。

「僕子供じゃないよ!魁道さんだって!ね?」

「眠い・・・」

(駄目だ・・・聞いちゃいないやこの人)

「よぅし!明日出発にしよう!」

灯は大声で唐突に言い出した。

「Σえっ灯姉さん明日ですかっ?!」

「Σ灯姉それはまだ早いんじゃ・・・・」

「五月蝿い五月蝿い!明日ったら明日ーっ!」

灯達がもめている間、蘇芳はクロノに聞いた

「おい、明日行くって何所に?」

「なんかアメリカのニューヨーク行くんだってよ。」

「ええっマジ?!結構近いな」

「え、何お前地図持ってるのか?」

「もちろん!もしかしてお前持ってないの?プフーッ!」

「うるせぇな!!しらねーよ地図なんか・・!・・で、現在地は?」

「うんと・・・サンフランシスコ」

「よくわかんねーけど・・・とりあえず場所的には近いな。うん。詳しいことは氷に聞けば分かるだろ。」

「ここで地図もってんのって俺だけだと思うから・・・ついていった方がいいかな?」

「ああ、そうしてもらえると助かるな。なんせあの馬鹿(灯)のことだから道間違えるんじゃねーかな」

「なぁにそこでひそひそと俺の悪口をいってんだぁ?」

振り向くと灯がたっていた。
クロノは思わず驚いた。

「うおぉ!びびった・・・蘇芳はつれていった方がいいぞ」

「なんで?警察だから?」

「いや・・違・・・こいつ地図もってんだよね」

「地図?読み方すらわからん」

「この馬鹿がッ」

「今馬鹿っていったな馬鹿って?!」

「いいから連れてけよ?な?」

「・・・わーったって!・・・っていうかお前等皆なんでアイス食ってんだよ」

「いーじゃねーかアイスくらい・・・」

なんて馬鹿なやり取りをしながら1日を終えた。
これから起こる戦いを予知しているような、賑やかな一時だった。
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