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空から眩い光が射す

光を覆い隠す灰の雲は過ぎ去ってゆく

まるで、私を恐れるかのように

久しく今日は、

今日は良く晴れた日。


第三章 「秘密」


私はいつもの様に部屋の端で膝を抱えて空を見つめる。

そういえば、
今日は
晴れている。

この前の事があってから
色々とあった。
澪羅とも会った。
私の運命は変わったのだろうか?

そんなことを考えているうちに
自由時間の鐘がなった。
自由時間とは、研究所に居る者達の時間。
歩き回ったり、他の病棟に行ったり。
兎に角自由なのだ。

私は最初、実験体に何故自由時間など与えるのだろうと思ったが
後々世話係に訊いてみると

私がこの病棟に来る3年前までは自由時間など無かったと言う。
だが其の研究所にいる者達も一応人間だ。
外に出なければ狂ってしまうに決まっている。
自由を奪われたが為に
彼等は自ら頭を壁や置物等にぶつけたり、自分の首を自分で閉めたり、舌噛んだりして自殺したそうだ。

そんなことが在っては実験が成り立たないと思ったんだろう。

研究員等は私達に自由を与えたというわけだ。


そんなもの実験体に必要ないだろうと思う
だから私は自由時間もいつも空を見つめていた。

今日もまた空を見つめていようと思った。
しかし珍しくドアのベルが鳴った。
何かと思って出てみたら

驚くことに目の前には

私の目の前には
昨日会った「澪羅」が居た

澪羅はにこっと笑みを浮かべてからこう言った。
「やっ!!暇だから来たよ!」

私は逃げだそうかと迷ったが彼からはどうやら逃げられないようだ。
なんていうか、そんなオーラを放っている。

「迷惑だったかな?」

彼は全然反省の色を見せていない。

「いいや、別に」

一瞬「うん」といいそうになったが理由を説明するのも面倒なのでとりあえず微妙な返事をしておいた。

「お邪魔していいかな?」

彼は私が返事する前に勝手に入ってきた。

「入っちゃった~えへへ・・・」

否、顔が反省してないって。
入ってから数分、彼は私の出した紅茶を飲んで窓を見ていたが途端に口を開いた。

「実はね」

「僕、此処に来たのは唯遊びに来たって訳じゃないんだよ」

彼にしては珍しい、真面目な顔だった。
彼は続けた。

「僕の特殊能力を教えてあげようと思ってさ」

彼はまた、表情をいつもの笑みに変えて近づいてきた。
この男は良く表情が変わるものだ。
そして彼は指を鳴らした。

すると
部屋が揺れだした


地震だ


近くを歩いていた人は驚き、
必死に身を守ろうとしている。

私が驚いて身を引くと
彼はまたにこっと笑って騒ぎを止めるように手を動かすと
何事も無かったように地震は止んだ。

彼は話す。

「僕の能力は『自然災害』」
「自然に起こるものは何でもできるんだ。たとえば山火事、落雷、洪水。それと噴火もね」

彼はまたにっこりと笑う
私には彼の笑みが一瞬恐ろしく見えた。
というか、彼の存在が怖くなってきた。

ならば・・・ならばあの地獄絵図は彼の引き起こした物なのだろうか・・・・・。

「これは秘 密だからね?この秘密を明かしたのは君しか居ないんだから」

澪羅が去った後、瀧空は深く考え込んだ。

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-


後書

長い・・・・
今回も長いです・・・!
やぁやぁ澪羅の能力は自然災害でしたね!
予想はあたりましたか?
瀧空は名前に合わず暗い子なんです。
第一章作るときにあさきの曲聴いてたからかなぁ・・・
では皆さん次をお楽しみに

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